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2014.08.21

非居住者の退職所得の選択課税(従業員の場合)

非居住者に支払う退職金については、その支払いの際、その支払総額のうち国内勤務期間に対応する部分国内源泉所得として、20.42%の税率により源泉徴収することになっています。

 

一方、居住者に対して退職金(特定役員退職手当等を除く。)を支払う場合には、その居住者から、「退職所得の受給に関する申告書」の提出を受けたときに限り、その支払いの際、その支給総額から勤務期間に応じた退職所得控除額を差し引いた後の金額の2分の1に相当する金額につき、居住者の累進税率により源泉徴収をすることになります。

033_033(フィリピン) 

このように退職金を受け取る者の居住形態によって、その支払い時における日本の税負担が異なります。一般的には、長い期間国内勤務をしていた者が海外赴任先で退職するような場合には、居住者として退職金を受ける場合に比して、その支払い時の税負担が重くなると言えます。そこで、非居住者と居住者の間のこのような税負担の違いを調整するため、非居住者自身の選択に基づき、居住者と同様の税額計算を行うことが認められています。これは、非居住者による「退職所得の選択課税」制度と呼ばれているものです。

 

「退職所得の選択課税」制度は、通常、この制度の適用を受けた場合に算定される税額が非居住者としての源泉徴収税額よりも少ないときに、その差額分の還付を受けるために利用されます。なお、この制度を利用するか否かについては、納税者の任意です。

 

「退職所得の選択課税」制度を利用するためには、退職金の支払いを受けた翌年1月1日(又は退職手当等の総額が確定した日)以後に、税務署長に対して所得税の確定申告書を提出し、既に源泉徴収された税額の全部又は一部の還付を受ける必要があります。

 

なお、「退職所得の選択課税」により税額計算する際は、主に以下の点に留意が必要です。

①    扶養控除、配偶者控除、基礎控除等の所得控除は一切適用できないこと

②    税額計算の対象となる退職金の金額は国内源泉所得部分ではなく、その支払い総額が対象となること

③    非居住者が日本において確定申告をする時は、一般的には、納税管理人を選任して、その納税管理人を通じて申告する必要があること

(Y.M.)

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