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2015.04.28

【連結納税/第9回】連結納税制度に特有の連結子法人株式の帳簿価額の修正について

第9回では連結納税制度に特有の連結子法人株式の帳簿価額の修正について解説します。

【連結子法人の帳簿価額修正】

連結子法人株式の帳簿価額修正とは、連結子法人株式の譲渡等をする場合において、税務上の連結子法人株式の帳簿価額を修正することをいいます。連結納税グループという1つの納税主体内で二重課税や二重控除を防止するために設けられた制度です。

すなわち、連結子法人株式の譲渡損益には、その連結子法人の利益・損失のうち、連結納税において課税済みの所得や、他の連結法人の所得から控除された欠損等に起因する部分があります。連結子法人株式の帳簿価額を修正することにより、譲渡損益から課税済みの部分や控除済みの部分を排除することができるのです。

 

<ポイント!>

連結子法人の帳簿価額修正により連結納税主体における二重課税や二重控除が防止できる!

 

【帳簿価額修正が必要な場合】

連結子法人株式の帳簿価額修正は毎期行う必要はなく、連結子法人株式の譲渡、連結子法人株式の評価替え、連結納税からの離脱等があった場合に、その事象の生じる直前において実施することになります。ただし、修正金額を計算するために「連結子法人の株主等における帳簿価額修正額のうちその連結子法人に係る部分の金額の計算に関する明細書」(別表5の2(1)付表2)を記載必要があります。

 

<ポイント!>

連結子法人株式の帳簿価額修正は毎期行う必要はない!ただし、毎期別表5の2(1)付表2の記載は忘れずに。

 

【帳簿価額の修正金額の金額】

連結子法人株式の帳簿価額の修正対象とすべきは、連結納税で課税済みの利益・損失のうち、留保されているものであるため、連結納税参加中のその連結子法人に帰属する利益積立金額の増減となります。修正金額は以下の通りです。

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上式の連結子法人の連結納税参加中の個別利益積立金額の増減額は、「連結子法人の株主等における帳簿価額修正額のうちその連結子法人に係る部分の金額の計算に関する明細書」により把握します。

連結子法人株式を譲渡する場合、連結子法人の連結納税参加中の個別利益積立金額が増加していれば、修正金額が連結子法人株式の譲渡原価に加算(譲渡益から減算)されます。逆に連結納税参加中の個別利益積立金額が減少していれば、修正金額が連結子法人株式の譲渡原価から減算(譲渡益に加算)されます。

 

<ポイント!>

連結子法人株式の帳簿価額修正額は上記の算式により計算する!

以上

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