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2015.05.28

【連結納税/第10回】連結法人間の資産の譲渡

連結納税ブログ第10回では、連結納税制度を適用する内国法人間で資産を譲渡した場合の法人税法上の取り扱いと消費税法上の取り扱いについて解説を行いたいと思います。

 

【 譲渡損益の繰延べの概要 】

連結法人間で資産の譲渡を行った場合には、譲渡した側の法人において、その譲渡損益を繰り延べることとなります。譲渡損益の繰り延べがいつまで行われるかというと、資産を譲り受けた法人がその資産を譲渡等するまでです。

譲渡損益の繰延べの対象となる資産は、譲渡直前の帳簿価額が1,000万円以上の固定資産、土地(土地の上に存する権利を含み、固定資産に該当するものを除く)、有価証券、金銭債権及び繰延資産とされています。

 

【 具体例 】

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連結グループの法人A社(親法人)・B社(子会社)・C社(子会社)、連結グループに含まれないD社を例に連結グループ間の資産の譲渡について説明します。

連結納税制度では、グループ法人であるB社からC社へ資産の譲渡が行われた場合の譲渡損益については、グループ外の第三者であるD社へその資産が譲渡されるまでの間は、繰り延べることとされています。

つまり、C社から第三者であるD社に資産を譲渡したタイミングで、B社において今まで繰り延べてきた譲渡損益が実現したものとして取り扱うということです。

 

【 法人税法上の取扱いと消費税法上の取扱いの違い 】

 消費税法上は、B社からC社への資産の譲渡であっても譲渡が成立したものとして消費税額の計算を行うこととなります。

したがって、譲渡する資産が課税資産の場合にはB社からC社に資産を譲渡する時点で、B社においては課税売上(譲渡資産が土地・有価証券などの場合には、非課税売上)を認識し、C社においては課税仕入(譲渡資産が土地・有価証券などの場合には、非課税仕入)を認識することとなります。

法人税法上はグループ内での資産の譲渡について譲渡損益を繰り延べますが、消費税法上はグループ内の譲渡であっても消費税を認識するという違いがありますので、申告の際には留意が必要です!

以上

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