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朝日税理士法人のブログを掲載します。

2016.02.29

【連結納税/第16回】平成27年税制改正を踏まえた平成28年3月期決算留意事項

 先日、平成28年税制改正大綱が公表されましたが、今回のブログでは平成27年税制改正を踏まえた平成28年3月期決算の留意事項について、連結納税制度での取扱いを中心に述べてみたいと思います。

 

1.法人税の税率引き下げおよび法人事業税の税率見直し

平成27年度税制改正により、法人税率が25.5%から23.9%に引き下げられました。また、法人事業税については外形標準課税を拡大する税率改正が行われています。

これらは連結納税を採用している場合にも適用され、税率の改正内容は以下の通りです。

 

【税率の改正内容】

改正前

H27.4~H28.3までの間に開始する事業年度

法人税率

25.5%

23.9%

法人事業税率(所得割)

4.3%

3.1%

地方法人特別税率

67.4%

93.5%

※ 法人税率および事業税率については、標準税率を記載

※ 法人事業税の税率の改正は外形標準課税適用法人

 

2.繰越欠損金及び連結欠損金の控除額の制限及び繰越期限の延長

平成27年度税制改正により、繰越欠損金及び連結欠損金の控除の方法について、一部の中小法人等を除いて、

・平成2741日以後開始(連結)事業年度においては(連結)所得金額の65%を上限

・平成2941日以後開始(連結)事業年度においては(連結)所得金額の50%を上限

とする改正が行われました。

また、これに伴い、

平成2941日以後開始(連結)事業年度に生ずる(連結)欠損金について繰越期限を9年から10年に延長する

という改正も行われています。

 

この改正は連結納税を採用している場合にも適用され、連結欠損金控除の上限が連結所得の65%、50%とされる点は、単体納税と同様です。ただし、

・連結納税グループ内の所得と欠損の通算は連結納税グループ内の所得合計の100%を上限

・特定連結欠損金の控除の上限は、その法人の個別所得の100% 1

となります。

この点連結納税下においては、単体納税に比べて当該65%または50%の上限の影響を受けにくい傾向にあるといえます。なお、

一部の中小法人等 ※2については、連結欠損金の控除の上限が所得の65%または50%とされる改正の適用除外

となりますが、この適用除外になるかどうかは、連結親法人の規模をもって判定します。

 

※1連結欠損金の控除を含めた控除総額が65%となるように控除総額の調整が行われる。

※2中小法人とは普通法人のうち、各連結事業年度終了の時において資本金または出資金の額が1億円以下であるもの、または資本出資を有しないもの。ただし、資本金の額が5億円以上の大法人による完全支配関係がある法人は除く。

 

3.受取配当等益金不算入制度の見直し

平成27年度税制改正により、受取配当等の益金不算入制度について、受取配当等の区分を以下の表のように、

完全子法人株式等、関連法人株式等、非支配目的株式等、及びその他株式等に係る配当等の4区分に変更

する改正が行われるとともに、その益金不算入割合を見直す改正が行われました。

この改正は連結納税を採用している場合にも適用され、この4区分の判定は連結納税グループ全体で行うことになります。

【益金不算入となる「株式等の区分」および「益金不算入割合」】

改正前

改正後

区分

益金不算入割合

区分

益金不算入割合

完全子法人株式等(株式等保有割合100%)

100分の100

完全子法人株式等(株式等保有割合100%)

100分の100

関係法人株式等(株式等保有割合25%以上)

100分の100

関連法人株式等(株式保有割合3分の1超)

その他の株式等

100分の50

上記以外の株式等

100分の50

非支配目的株式等(株式等保有割合5%以下)

100分の20

 

4.おわりに

上記では平成28年3月期決算に影響を与える平成27年税制改正の主要な項目について述べましたが、上記のほかにも、法人税において、①所得税額控除における公社債利子等の取扱い、②美術品等の減価償却の取扱い、地方税において③法人住民税均等割に係る改正、④外形標準課税に係る改正等、実務上影響が大きい改正が多くなされています。

決算をむかえる前にいまいちど平成27年税制改正をおさらいし、適用となる項目を整理することをおすすめします。

以上

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