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2018.04.17

【平成30年度税制改正】外国企業が恒久的施設(PE)認定される範囲が拡大

平成30年3月28日、平成30年度税制改正法が成立しました。同改正では、恒久的施設(Permanent Establishment: PE)の定義の見直しが行われています。

 

恒久的施設(以下、PE)とは、事業を行う一定の場所(支店等)・代理人を言います。例えば、外国企業や非居住者(以下、外国企業等)が日本国内で事業を行う場合、日本国内にその外国企業等のPEがなければ、事業利得に課税されません。これは、国際課税原則の1つ、「PEなければ課税なし」というルールです。

 

ここで、従来から問題視されているのは、PE認定されない活動だけを行ったり、外国企業等と販売委託契約を結んで活動することでPE認定を回避したりする行為(PE認定の人為的回避)です。今回の税制改正では、このような租税回避に対応するように、PEの範囲を広げる方向で見直しが行われています。

 

 

平成30年度税制改正の内容

 

(1)代理人PEの範囲の見直し

 

改正前の代理人PEの定義は「契約締結代理人等」です。よって、外国企業等と販売委託契約を結んだ受託者が、受託者の名前で外国企業の製品の販売をすることで、その外国企業等はPE認定を回避するケースが見受けられました。

 

今回の改正では、代理人PEの範囲に、「外国企業等のために、外国企業等の資産の所有権の移転等に関する契約を反復して締結、あるいは一定の契約のために主要な役割を反復して果たす者」が追加されました。

 

また、従来は代理人PEとされなかった独立代理人の範囲から、「専ら又は主として自己と密接に関連する者(持分割合50%超の関係にある者)に代わって行動する者」が除外されました。

 

(2)支店PEの範囲の見直し(倉庫として保管・引渡し業務のみを行う一定の場所の例外)

 

改正前の支店PEの定義は、「事業の管理の場所、支店、事業所、工場等」であり、保管・展示・引渡しなどの特定活動のみを行う一定の場所はPEとされませんでした。

 

今回の改正では、保管・展示・引渡しなどの特定活動のみを行う一定の場所は、その活動が外国企業等の事業にとって準備的又は補助的な機能を有する(すなわち、事業の本質的部分を構成しない)場合に限り、PEに含まれないものとされました。

 

(3)建設PEの期間要件の見直し

 

改正前の建設PEの定義は、「建設工事現場、又は建設もしくは据え付け工事で12ヶ月を超える期間存続するもの」です。よって、建設工事契約の期間を分割して、それぞれ12ヶ月以下とし、PE認定を回避するケースが見受けられました。

 

今回の改正では、PE認定の回避を主要な目的の一つとして契約期間を分割した場合は、分割された期間を合計してPEの判定を行うこととされました。

 

(4)租税条約と国内法でPEの定義が異なる場合の条約優先の明確化

 

今回の改正では、日本が締結した租税条約でのPEの定義と国内法での定義が異なる場合に、その租税条約の適用を受ける外国企業等については、租税条約上のPEを国内法上のPEとすることが明確化されました。

 

また、PE認定の判定基準が、現在の国際標準(BEPS防止措置実施条約、2017年版OECDモデル租税条約)に整合するように変更されました。

 

 

適用時期

 

当該改正が適用されるのは、外国企業のような法人の場合は、平成31年(2018年)1月1日以後に開始する事業年度分の法人税、法人住民税および事業税、非居住者(個人)の場合は、平成31年分以後の所得税(個人住民税については平成32年度分以後)からです。

 

ポイント

 

【外国企業等】

今回の改正により、今後は外国企業等が日本国内において「PEあり」と認定される範囲が拡大します。よって、恒久的施設に該当する可能性がないか、見直しが必要でしょう。

 

【日本の企業】

このようなPEの定義に係る日本の税制改正は、OECD/G20のBEPSプロジェクトの最終報告書における勧告を反映したものです。よって、今後は、OECD/G20に加盟する外国で同様の改正が行われることが予想されます。海外進出を行う日本の企業は、進出先国の税制改正の動きに注意し、想定外の恒久的施設認定を受けることのないよう、対応が求められます。

 

 以上

 

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