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2018.09.04

経産省 平成29年度 BEPS移転価格税制関連 調査報告書を公表

平成30年(2018年)4月25日、経済産業省は「BEPSプロジェクトを踏まえた移転価格税制及び各国現地子会社等に対する課税問題に係る調査・研究事業(平成29年度)調査報告書」をホームページにおいて公表しました。

 

この調査の目的は?

 

平成29年度の税制改正大綱においては、「『移転価格税制』について(中略)『BEPSプロジェクト』で勧告された『所得相応性基準』の導入を含め、必要な見直しを検討する」と明記されています。今回の調査は、こうした状況を踏まえ、移転価格税制の見直しに当たり日本企業の海外展開を阻害しないよう、とくに、無形資産の取扱いを中心に実務上の課題や論点等の整理を目的としています。

 

また、BEPSプロジェクトを契機に各国が課税逃れ防止策を強化する中、新興国等による日本企業に対する行き過ぎた課税が懸念されますが、この調査は、そのような状況を踏まえ、日本企業の国際租税制度の対応状況、海外事業展開の実態及び先進先国で抱えている税務上の課題等の整理を目的としています。

 

調査の概要は?

 

この調査の概要は以下のとおりです。

1.移転価格税制における無形資産の取扱い等に関する調査

2.移転価格税制の見直しにあたっての有識者・実務家等との意見交換

3.日本企業が進出先国で抱えている課題分析

 

調査の結果は?

 

調査の結果は、以下のようにまとめられています。

1.諸外国における無形資産の整理及び価値評価実務

2.日本における無形資産の整理及び価値評価実務

3.移転価格税制に関する基本情報の整理

4.企業ヒアリング等第1節から第3節の調査結果を踏まえた無形資産取引に係る移転価格税制に関する論点整理

5.本企業が進出先で抱えている課題調査

 

日本企業へのアンケートの結果は?

 

この調査では、海外展開をする日本企業を対象に、進出先国で事業展開をする上で直面している課税問題及び租税条約の締結ニーズを中心にウェブアンケート調査(「日本企業が進出先国で抱えている課題に関するアンケート調査」)を実施しています。当調査は、2017年11~12月に6,565社に対して実施され、うち2,042社より回答を得ています。

 

調査概要(抜粋)は以下のとおりです。

 

I.新興国における課税問題

 I – 1  課税事案の発生状況

  •   ● (国・地域)課税事案が発生した国・地域は、事案数ベースで、中国(31%)が最も多く、インドネシア(23%)、インド(12%)、タイ(7%)、ベトナム(5%)の順となっています。
  •   ●    (措置内容)課税事案の措置内容は、事案数ベースで、移転価格税制(47%)が最も多く、次いで、恒久的施設(PE)(18%)、ロイヤルティ(16%)の順となっています。

 

 I – 2 税制・執行面等での問題

  •   ●  (国・地域)税制や執行面等で問題があるとされた国・地域は、事案数ベースで、中国(25%)が最も多く、インドネシア(13%)、インド(12%)が続いています。
  •   ●  (改正・改善が望まれる点)税制の問題点としては、事案数ベースで、「税制の複雑さ、頻繁な改正」(19%)が最も多く、次いで、「租税条約適用手続き」(18%)、「税還付手続き」(15%)、「税務調査」(14%)、「地域または税務担当官による執行の差」(11%)の順となっています。

 

Ⅱ.租税条約への要望

 II – 1 租税条約の改正要望

  •   ●  (国・地域)租税条約の改正が望まれる国・地域は、要望企業数ベースで、中国(42%)が最も多く、次いで、インド(37%)、タイ(15%)、インドネシア(9%)、ベトナム(8%)の順となっています。
  •   ●  「(要望内容)租税条約の改正要望内容は、要望項目数ベースで、所得(67%)に関するものが最も多く、次いで、恒久的施設(PE)(15%)、相互協議(7%)となっています。

  II – 2 租税条約の新規締結要望

  •   ●  (国・地域)租税条約締結が望まれる国・地域は、要望企業数ベースで、ミャンマー(41%)が最も多く、次いで、カンボジア(14%)、ペルー、アルゼンチン、コロンビア(各12%)の順となっています。
  •   ●  (要望内容)租税条約の新規締結要望は、要望項目数ベースで、所得(54%)が最も多く、次いで恒久的施設(PE)(17%)、相互協議(16%)となっています。

 

アンケート結果を参考に税務リスクを最小限に

 

この調査で行われたアンケートの結果から、主な新興国における、移転価格税制、恒久的施設(PE)、税務調査、税制執行面に係る課題を垣間見ることができます。とくに新興国への海外進出を計画している日本の企業にとっては、海外進出に係る税務リスクを最小限にとどめるための有用な資料と言えるでしょう。

 

 

以上

 

 

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