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朝日税理士法人のブログを掲載します。

2013.11.22

海外駐在員が「双方居住者」となる場合

海外勤務のため国外に居住することとなった場合において、契約や辞令等により海外勤務期間が当初から1年未満であることが明らかなときは、原則として、その海外勤務期間中も日本の居住者として扱われることになります。

 

一方、外国の税法によっては、その外国においても居住者とみなされることがあります。このように、日本の居住者であると同時に外国の居住者になる状態を「双方居住者」といいます。

 

フィリピン聖堂

 

「双方居住者」になってしまうと、日本と外国において、同じ所得について二重課税が生ずることになります。そこで、日本が締結している租税条約では、日本と異なる規定を置いている外国との二重課税を防止するため、「双方居住者」となった場合の解決方法が次のように定められています。

1. その者の「恒久的住居」、「利害関係の中心的場所」、「常用の住居」又は「国籍など具体的事実を前提として、居住地国の振り分けを行い、その振り分けができない場合には、両国の権限ある当局の協議により解決する方法

2. 当初から両国の権限ある当局の協議により解決する方法

 

なお、居住地国の振り分け規定や相互協議の結果、外国の居住者とみなされる場合には、日本の税法上の非居住者として扱われることになります。

 

有名な話として、世界的ベストセラーである某小説の日本語版翻訳者が、国税局から約数十億円の申告漏れを指摘されたということがありました。報道によると、その翻訳家は、日本とスイスの「双方居住者」に該当していたようです。なお、このケースでは、日本とスイスの両税務当局の間で、その翻訳家の居住地は日本にあり日本で納税すべきであるとの合意がなされました。つまり、日本と外国の権限がある当局の協議により、「日本が実質的な居住地国である」という結論を出したということです。(Y.M.)

以 上

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