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2014.02.14

海外子会社の設立費用を親会社の損金とすることができるか?

海外に子会社を設立するにあたっては、市場調査費用、現地視察費用、事業開始のための準備活動費用、設立手続に要する費用など、様々な費用が発生します。これらを日本の親会社が負担した場合に、税務上、損金とすることができるかが問題になります。

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たとえば、設立の是非を検討するための、市場調査、現地視察、法律・規制・設立方法・税制等の調査、損益見込、立地検討、監督官庁との接触などに係る事前調査費用はどうでしょうか?

 

これらは、基本的に親会社自らの事業計画の策定や事業方針の決定の一環として行われるものです。よって、その法人グループを統合する親会社自身が負担すべきものと考えられますので、税務上、親会社の損金とすることが認められるでしょう。

 

次に、子会社の事業開始のための準備活動費用についてはどうでしょうか。これらは、原則として、子会社が本来的に負担すべきものと考えられます。

 

ただし、当該準備活動が、そのまま親会社にとっても新事業開始のための準備活動と言える場合は、一概にすべてを海外子会社が負担すべきものであるとは言えないでしょう。このような費用を、親会社、子会社のどちらがどの程度負担するかについては、海外子会社が設立される国の会社法や税法等の規定も考慮しつつ、ケースバイケースで詳細に検討する必要があると思われます。

 

その際のポイントは、“当該費用は、親会社が負担すべきものか、それとも、海外子会社が負担すべきものか”を説明する合理的根拠の有無です。さらに、税務調査でその損金性を否認されるリスクを最小限にするよう、その合理的根拠について、支出した費用ごとに明らかにした証拠資料を作成・保管する必要があると言えます。

 

なお、税務調査で損金性を否認された費用は、日本の親会社から海外子会社への寄附金と認定され、全額が損金不算入となりますので注意が必要です。

 

以上

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