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2015.09.28

【連結納税/第13回】連結納税と地方税の関係

連結納税制度を適用する場合のメリットの一つとして、グループ会社全体の所得と欠損を通算できることが挙げられますが、地方税法においては、連結納税制度が規定されていないため、思いもよらないところで地方税が発生するケースがあります。今回は連結納税下における地方税の取り扱いを説明します。

 

■地方税の取り扱い

 法人住民税(以下「住民税」)と法人事業税(以下「事業税」)については、連結納税制度の規定がないため、連結納税制度により計算された各グループ会社の所得及び法人税額を基礎として、それぞれ計算することとされています。この連結納税制度独自の計算構造により、単体で申告した場合には発生しない地方税が発生するケースが2通り考えられます。

 

■ケース① 法人税率の違いにより地方税が増額するケース

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連結納税制度を適用している法人が中小企業者等の特例の適用を受ける場合には、連結親法人の資本金の額により判定することとなります。上記のように、親会社Aの資本金が1億円を超えている場合、子会社Bは法人税の軽減税率(15%)の適用が受けられないこととなります。そのため、法人税額をもとに計算する住民税額も増加することとなります。

■ケース② 損益通算ができないことにより地方税が増額するケース

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連結納税制度を適用した場合、親会社A 1,000、子会社B 800の所得と子会社C ▲500の欠損を相殺することで法人税は節税効果が得られます。しかし、住民税・事業税においては単体申告を行うこととなりますので、欠損を相殺することはできず、節税効果は得られないこととなります。

 

<Point>

連結納税制度は法人税の規定のため、地方税との計算構造の違いにより、①各社の所得と欠損を相殺することができない場合、②中小企業等の特例の適用が受けられない場合がある。そのため、連結納税制度の適用によるグループ会社全体の節税効果を検討する場合は、地方税が生じることを予め考慮する必要がある。

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