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2014.01.15

居住者が受ける在外手当の非課税

海外勤務者であっても、海外勤務期間が一年未満であるため居住者に該当する者に支払う給与は、原則として、一般の国内勤務者に支払う給与と同様に課税されます。ただし、例外の一つに、「在外手当の非課税」という規定が設けられています。

 

この規定は、国外で勤務する居住者の受ける給与のうち、その勤務により国内で勤務した場合に受けるべき通常の給与に加算して受ける在勤手当(これに類する特別の手当を含む)について、所得税法の非課税とするものです。

なお、海外勤務者のうち非居住者に該当する者が受ける給与などについては、一時的な帰国など国内において勤務することがないかぎり、もともと所得税の非課税となります。

ここにいう在外手当の額は、「国外で勤務する者がその勤務により国内で勤務した場合に受けるべき通常の給与に加算して支給を受ける給与のうち、その勤務地における物価、生活水準及び生活環境並びに勤務地と国内との間の為替相場等の状況に照らし、加算して支給を受けることにより国内で勤務した場合に比して利益を受けると認められない部分の金額とする。」とされています。

つまり、在外手当は海外勤務において、日本と同様の生活環境を維持するためのものであり、日本における生活環境以上の環境を提供する部分の額については国内で勤務した場合に比べて利益を受けるものとして、所得税の課税対象となるのです。

この非課税所得となる在外手当については、具体的な金額基準に係る規定がありません。よって、企業が在外手当を実際に支給する際には、どのくらいの金額が妥当なのかその算定に悩むところです。

そのような場合には、「在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律」に規定する在勤手当の額がひとつの目安となると考えられます。公務員に支給される在勤手当は所得税の非課税とされていますので、民間の企業がこれにならって支給額を決定したとしても同様に非課税と認められる可能性があると思われます。(Y.M.)

以上

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