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2013.08.21

海外進出企業にとっての「グループ経営」~第1回 海外進出とグループ経営

「グループ経営」、「連結経営」という言葉があります。

これらはともに、法人の単体レベルでなくて、子会社や関係会社を含めた企業グループ、もしくは連結グループの目的や意思決定を統一して、そのグループを単位として経営を行っていく手法をいいます。

「分社」やM&Aは、日本企業にとって馴染みのある経営手法であり、それらを進めていく結果、これまでも多くの企業でグループ経営が為されてきました。

ただここに来て、日本の「グループ経営」がさらに違う意味を持ち始めたことを感じています。そのキーワードが「海外進出」です。

ここ数年で日本企業の海外進出件数は増加しています。

 日本企業が海外進出を行う方法は、独資による子会社・現地企業との合弁会社設立、駐在員事務所・支店の開設といった「直接進出」と、海外代理店への販売委託、海外企業への生産委託、技術供与といった「間接進出」に分けられます。このうち子会社や合弁会社を設立する場合には、在外子会社・合弁会社を含めた「グループ経営」は必須です。

このブログでは、「海外進出」、「グループ経営」という2つのキーワードを意識しながら話を進めて行きます。

直接進出と間接進出

直接進出
(具体例)
独資による子会社、現地企業との合弁会社、駐在員事務所、支店
(メリット)
相対的に海外での事業をコントロールし易い
(デメリット)
ヒト、モノ、カネ、情報といった企業の経営資源を相対的に多く投資しなくてはならない

間接進出
(具体例)海外代理店への販売委託、海外企業への生産委託、技術供与など
(メリット) 経営資源の投資が相対的に少なくて済むため、投資リスクが比較的に小さい
(デメリット) 事業のイニシアティブが取り難くなったり、ノウハウが流出し易くなる

直接進出の具体的形態

独資による子会社
自社(グループ)だけで子会社を海外に設立するため、自社の戦略を機動的に実行しやすいというメリットがありますが、進出に要する経営資源を自力で調達する必要があり、現地企業から人材やノウハウを享受し難いというデメリットがあります。国や業種によっては、外資規制によって、独資による設立が認められない場合もあります。

現地企業との合弁会社
独資による子会社設立と比較して、現地企業のノウハウを享受することで、海外での事業をスムーズに運営できる可能性が高まります。一方で現地企業からの干渉を受けることで、事業のイニシアティブが取り難くなったり、ノウハウが流出したりすることもあります。合弁会社を設立する場合は、相手企業が信用できる先であることを確認したうえで、出資比率などの条件交渉をしっかり行う必要があります。

駐在員事務所
多くの場合、駐在員事務所の業務内容は連絡業務、情報収集、市場調査などに限定されおり、一般的に駐在員事務所は現地で営業活動を行うことはできません。進出目的に照らして、この形態が適合しているかどうかを確認する必要があります。

支    店
日本の法人が直接海外に、同一法人として拠点を出す形態です。営業活動が認められるという点で駐在員事務所とは異なりますが、進出する国や業種によっては設置が禁止または制限を受ける場合があります。

以 上





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