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2014.09.16

外国の公的年金の受給と所得税の確定申告

我が国は欧米諸国を中心に複数の国と社会保障協定(以下、協定という。)を締結しています。この協定の目的は、「保険料の二重負担の防止」「年金加入期間の通算」と言われています。ただし、2014年1月までに締結されたもののうち、イギリス、韓国及びイタリアとの協定については、「保険料の二重負担防止」のみとなっているので留意が必要です。

 

「年金加入期間の通算」ができる協定のもとでは、これまで年金加入期間が足りないため外国あるいは日本の年金を受けることができなかった人も、両国の年金加入期間を通算することにより受給資格期間を満たして、両国から年金を受給できる可能性が広がります。

 

経済の国際化の進展にともない、日本企業から外国に出向等により派遣される者が年々増加する中、現在海外駐在員として勤務されている者だけでなく、過去において海外駐在員として勤務したことがある者の数もかなりになると思われます。そのような人たちのうち協定の締結国で勤務したことがある者については、協定による受給資格期間の充足のほか所定の要件をすべて満たせば、日本だけでなく外国からも年金を受給できることになります。なお、通常、外国の公的年金を受給するためには、日本と同様、受給資格要件を満たせば自動的に受給できるわけではなく外国に対して裁定請求することが必要となります。

 

日本の居住者が外国の公的年金を受給した場合には、原則として、日本においてその年金収入につき所得税の確定申告が必要になります。日本の所得税法上は、その外国の公的年金が、「外国の法令に基づく保険又は共済に関する制度で、日本の公的年金等(国民年金法、厚生年金保険法、公務員等の共済組合法などの規定による年金)に類するもの」であれば、以下のように日本の公的年金等と同様の方法で雑所得の金額を計算することになります。

 

 <公的年金等にかかる雑所得の計算>

   雑所得 = 年金の収入金額 - 公的年金等控除額 

 

現在、その年中の公的年金等の収入金額が400万円以下であり、かつ、その年分の公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下である場合には、所得税の確定申告が不要とされています。この確定申告不要制度の対象となる公的年金等には、外国の公的年金等も含まれていましたが、平成26年度税制改正により、平成27年分以降は、外国の公的年金等は確定申告不要制度から除外され、原則として、所得税の確定申告が必要となるので注意が必要です。

 

なお、外国の公的年金の受給手続きや税金の取り扱いに関しては、協定の相手国ごとにその内容などが異なる場合があります。また、協定の相手国との間における租税条約の締結の有無も確認が必要な事項になりますので、関係行政機関(年金事務所や税務署など)や専門家にご相談の上対応することをお勧めいたします。

(Y.M.)

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