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2013.08.15

独立企業間価格とは?~「独立企業間価格」は移転価格税制における最重要概念~

■基本的な考え方

 

 移転価格税制では、国外関連取引が「独立企業間価格(ALP: Arm’s Length Price)」で行われたか否かが問題となります。「独立企業間価格」とは、当該国外関連取引と同様の状況のもとで、独立第三者間において同種の取引が行われた場合に成立すると認められる価格をいいます。ひとことで言えば、“経済合理性のある取引関係に基づく適正な価格”です。

 内国法人が「独立企業間価格」とは異なる価格で国外関連取引を行った結果、当該法人の所得が国外関連者に移転している場合は、わが国当局はその国外関連取引が「独立企業間価格」で行われたものとみなす(差額相当分を所得として課税する)ことができるとされています。

 

(参考)OECDモデル条約第9条でも次のように規定されています。「商業上または資金上の関係において、双方の企業の間に、独立の企業の間に設けられる条件と異なる条件が設けられまたは課されているときは、その条件がないとしたならば一方の企業の利得となったとみられる利得であってその条件のために当該一方の企業の利得とならなかったものに対しては、これを当該一方の企業の利得に算入して租税を課することができる。」

 IMG_0049タイ1(Thailand)

 したがって、税務調査において移転価格に関する指摘を受けることを避けるためには、国外関連取引の取引価格が「独立企業間価格」となっていることを説明できるように用意しておくことが大切です。

 

■独立企業間価格の算定方法(棚卸資産売買取引)

 棚卸資産売買取引の独立企業間価格の算定方法には下記があります。

(1)  基本三法およびこれに準ずる方法

● 独立価格比準法(CUP法)

● 販売価格基準法(RP法)

● 原価基準法(CP法)

● 上記方法(基本三法)に準ずる方法

(2)  その他の方法

● 利益分割法(PS法)

比較利益分割法、寄与度利益分割法、残余利益分割法

● 取引単位営業利益法(TNMM)

● 上記方法に準ずる方法

 

 これらの算定方法(独立企業間価格の算定方法)のなかから最も適切な方法を選定して算定を行うことになります。

 

   選定にあたっては、算定方法それぞれの長所と短所、国外関連取引の内容・国外関連取引の当事者の果たす機能等に対する算定方法の適合性、算定方法を適用するために必要な情報の入手可能性、国外関連取引と非関連者間取引との類似性の程度(差異調整等を行う必要がある場合には当該差異調整等に係る信頼性を含む)、国外関連取引および非関連者間取引に係る情報を勘案する必要があります。

 

 なお、移転価格事務運営指針では、独立価格比準法(CUP法)が最も優れた方法であり、再販売価格基準法(RP法)と原価基準法(CP法)が次善の算定方法であるとされています。

 

 次回は、最近、税務調査の執行を強化しているタイの移転価格税制の概要についてお話したいと思います。

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