2025.10.31
<2025年10月>社団・財団通信_「公益法人の新たな仕組み④(公益充実資金について)」
2025年4月より施行された新公益認定法では、公益法人の新しい資金運用の選択肢として「公益充実資金」という制度が創設されました。本号ではこの公益充実資金の概要についてご紹介します。
【ポイント】
【1】公益充実資金とは
【2】公益充実資金の積立の要件
【3】公益充実資金の取崩し
【1】 公益充実資金とは
公益充実資金とは、公益目的事業を充実させるために将来において必要となる資金を備えるための制度です。公益充実資金は公益目的事業の範囲内であれば使途の柔軟な変更が可能で財務の自由度が大きく向上しました。また、公益充実資金の積立額は中期的収支均衡の判定上費用として認識することができ、使途不特定財産規制においても控除対象財産となります。
【2】公益充実資金の積立の要件
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積立の目的が公益目的事業に係る将来の特定の活動実施又は将来の特定の公益目的保有財産に係る資産の取得・改良(公益充実活動等)に係る費用等の支出に充てるために必要な資金として積み立てられるものであること。
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公益充実活動等ごとの内容や実施時期、積立限度額とその算定根拠等をインターネット等で公表すること。
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公益充実資金を公益充実活動等以外の支出に充てるために取り崩す場合について特別の手続きが定められていること。
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事業年度末日の公益充実資金の額が積立限度額以下であること。
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財産目録、貸借対照表又はその附属明細書において、他の資金と明確に区分して表示されていること。
【3】 公益充実資金の取崩し
公益充実資金を有する公益法人は、その資金の目的の支出がなされた場合や正当な理由なくその資金の目的とする公益充実活動等を行わなかった場合は、その資金を取り崩さなければなりません。公益充実資金の取崩し額は中期的収支均衡の判定上は収益として認識されます。
公益充実資金の特徴

以 上
(公益法人チーム)


