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2023.09.27

【グループ通算/第14回】 グループ通算制度・投資簿価修正(原則)

 3月決算法人から適用されたグループ通算制度で個社の担当として7月に初めて申告までを経験しました。理論上理解していることを、実際に手を動かして申告書を作成することで知識と技術がリンクし、確かなものとなりました。そのうち今回は「投資簿価修正」について記載します。

(1)グループ通算では不要な別表

 連結納税時に作成していた別表五の二(一)付表二 「連結子法人の株主等における帳簿価額修正額のうちその連結子法人に係る部分の金額の計算に関する明細書」は、グループ通算では不要となります。子法人株式のグループ外への譲渡等で「投資簿価修正」の処理が必要となるところはグループ通算でも同様ですが、計算アプローチ等が異なるからです。

(2)投資簿価修正とは?

 グループ内の子法人株式をグループ外へ譲渡等をする場合、その子法人株式価額を修正する制度です。
譲渡等されることでそのグループから離れますが、株式の売却損益には「グループ通算制度(連結納税制度)」で稼得した損益も含まれます。そのためそれらを排除し、二重課税や二重控除をなくすことが目的です。

(3)連結納税制度の投資簿価修正

【対象子法人】
「連結納税グループ加入中の個別利益積立金額の増減」×親法人の子法人保有株式数(注)÷子法人の発行済株式数(注)
(注)グループ外へ譲渡等をする直前の株式数

詳細は【連結納税/第9回】連結納税制度に特有の連結子法人株式の帳簿価額の修正についてを参照ください。

(4)グループ通算制度の投資簿価修正

【対象子法人】
「譲渡等をする直前の帳簿価額(資産△負債)」×親法人の子法人保有株式数(注)÷子法人の発行済株式数(注)
(注)グループ外へ譲渡等をする直前の株式数

「直前の帳簿価額」とは「税務上」の価額で、グループ在籍中の損益を反映させた価額です。

(5)具体例

 親法人が子法人A社(取得価額及び簿価1,000円)をグループ外の法人へ1,500円で譲渡しました。A社はグループ在籍中に土地(含み益あり)を譲渡し、譲渡益700円を計上しています。
税務上の譲渡損益はいくらでしょうか?

会計の譲渡損益:1,500円△1,000円=500円(譲渡益) 
税務上の譲渡損益:1,500円△(1,000円+700円)=△200円・・・譲渡損となる

「+700円」は「簿価純資産超過額」といい、グループ在籍中に獲得した収益です。
親法人のA社株式の価額には「土地の譲渡益700円」が考慮されていないため、税務上はグループ離脱時に反映させることにより、グループ通算での課税関係を終了させます。
なお「連結納税」では「土地の譲渡益700円」をA社の利益積立金額を増加させた金額として処理をします。
計算のアプローチは異なりますが計算結果は同じです。

 ただし親法人が、子法人株式を純資産価額にプレミアを乗せた価額で取得した場合には(買収プレミア)、「原則」とは異なった「特例」の計算が必要となります。

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