2024.04.23
海外駐在員(非居住者)に支払う永年勤続表彰金
“ 日本企業が従業員に対して金銭で一律に支給する表彰金は、所得税法上、給与所得として課税の対象になります。居住者に表彰金を支給する場合にはその全額が課税所得です。
一方、非居住者に支給する場合には、その表彰金の金額のうち国内勤務に起因する国内源泉所得のみが課税所得となります。”
日本企業の福利厚生制度のひとつに「永年勤続表彰」があります。「永年勤続表彰」とは、勤続期間が長い従業員の労をねぎらうため勤続年数が一定期間を超えた従業員を表彰する制度です。
日本企業が従業員に対して金銭で一律に支給する表彰金は、所得税法上、給与所得として課税の対象になります。居住者に表彰金を支給する場合にはその全額が課税所得です。一方、非居住者に支給する場合には、その表彰金の金額のうち国内勤務に起因する国内源泉所得のみが課税所得となります。
現在、多くの日本企業の従業員の方々が外国企業に出向して海外駐在員として活躍しています。その海外駐在員が永年勤続表彰金の支給対象となり、海外勤務期間中に支給する場合は、源泉徴収モレとならないように注意が必要です。海外駐在員は、多くの場合、日本の非居住者として扱われますが、このような海外駐在員に支給される表彰金については、その表彰金制度の支給基準から判断して、通常、次の算式により課税対象となる国内源泉所得を算出することになります。
国内勤務期間
永年勤続表彰金の金額 × — — — — — —
永年勤続期間
なお、日本企業が支給する永年勤続表彰金については、海外駐在員の居住地国の課税関係も留意する必要があると考えられます。
(Y.M.)
以 上
【この記事は「イノベーションズアイ」コラムに掲載しています】
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